「ミス・パイロット」の見どころを航空業界の裏側から徹底解説!
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ミス・パイロット ― 第2話(放送)の解説

ミス・パイロット

入社した晴は同期達とともに寮に入る。訓練は同期で協力してやるため、晴のように羽田から近い蒲田に実家がある人も含め、全員が入寮するのである。まさに同じ釜のメシを食い、同期との一体感が醸成されていくのである。

パイロット訓練生は入社してすぐにパイロットの訓練に入るわけではない。最初は、空港でグランドスタッフの研修を行うのである。しかし、なんといっても経験が浅いので、乗客の対応に不備があったり、時間がかかってしまうこともある。不慣れな研修中のパイロット訓練生にとって、倫子(菜々緒)のような先輩は厳しくも実に頼もしい。山田(藤井流星)のように、仕事を教わるうちに先輩グランドスタッフに惚れてしまうこともありえるだろう。

ミス・パイロット

千里(相武紗希)は乗客のクレームを受け、むっとした表情をしてしまう。それを見た倫子に「笑顔」を作るように、と指摘を受ける。しかし、千里は笑顔が操縦の何の役に立つのか、と反発を感じる。パイロットになるためにANAに入社した千里(相武紗希)にとっては、グランドスタッフとして愛想よく笑顔を作れるようになることは、意味のないことだと思ったのである。また、寮に帰った他の訓練生たちも、自分たちは何のためにグランドスタッフをしているのか、その意義が分からずモヤモヤした気持ちを抱く。

パイロット候補生がパイロットの訓練に入ってしまうと、基本的に乗客と直接に接することはなくなる。また、一般的な会社と違って、原則として部署移動はないので退職するまでパイロットだ。つまり、他の部署のスタッフと協力してフライトを進めていかなくてはならないが、他部署の考え方などに触れる機会はほとんどなくなってしまう。この地上研修は、パイロット訓練生にとって貴重な機会なのである。

ミス・パイロット

無愛想な教官の国木田(斉藤工)は訓練生たちに厳しく当たる。しかし、その裏では訓練生たちを心配し、倫子や寮母から訓練生たちの様子を伺う。教官とは訓練生に厳しく接しないといけない一方、実に自分が担当している訓練生が心配なものなのである。

国木田は晴に「飛行機が飛ぶために必要なものは何か?」と問いかける。しかし、晴はその答えが分からない。国木田の問いのヒントは、今まさに晴が地上研修でやっていることだ。

ミス・パイロット

乗客の健康や、遅延が及ぼす影響などを考慮し、セカンドベストとして合理的な判断を下す倫子。しかし、目の前の乗客、すなわち娘の結婚式のための便に乗れなかった父親、旅行を楽しみにしているおじいちゃん、おばあちゃんを目の前にした晴は、その辛い判断を受け入れられない。

団体客の乗り継ぎを明日に繰り越す、という倫子の判断を晴は勝手にくつがえし、乗客を当日中に乗り継がせようとする。しかし、一人膝の悪いおばあちゃんが脱落しかけてしまう。ところが、晴は乗務員の空港内移動用のバスを利用して搭乗に何とか間に合わせる。実際には時間のない乗り継ぎ客用の車を使うことはあるものの、乗務員移動用のバスをヒッチハイクすることはありえない。しかしこれは、グランドスタッフがいかに定時を守りつつ、乗客の思いを大切に考えているのかを示す演出だろう。

ミス・パイロット

性急な判断をした晴に対し、倫子は「時間に対する焦りをパイロットに感じさせることが、パイロットのミスを誘発する」と諭す。過去の事故事例でも、時間のなさに対する焦りが事故につながった例は多い。そしてそれは、大抵の場合ぎりぎりでうまくいくが、低確率で致命的な事故に至るものなのである。

たまたまうまくいったから良い訳ではない。事故を防ぐためには、一見冷徹な判断を下さなくてはなくてはならない時もある。倫子はパイロットではないが、彼女の言葉はドラマの演出として航空業界の性質を端的に表現したものなのである。

ミス・パイロット

さて、国木田が言っていた、飛行機が飛ぶために必要なものは何か?答えは「人」だ。旅客機というのは、エンジンだけあっても飛ばない。飛行機を整備する人、荷物を積み込む人、飛行機を誘導する管制官、そして晴たちがまさに今経験しているグランドスタッフ、他にもたくさんの人が集まって初めて飛行機は飛ぶのであり、そのうちのたった一つがかけても飛行機は飛べない。

このことにまだ晴は気づかない。飛行機はエンジンがあれば飛ぶ。飛行機を飛ばすのはパイロット。そうではないことを国木田は伝えようとしているのだろう。

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