入社した晴たち6人は、アメリカ・ノースダコタ州で訓練を受けることになる。ここでは、事業用操縦士免許という「お金をもらって操縦できる免許」の取得を目指す。つまり、車でいうところの、タクシーの免許だ。なお、実際のANAの訓練はサンフランシスコ州ロサンゼルス近郊のベーカーズフィールド飛行場で行われている。
最終的にはジェット機のパイロットになるのだが、最初は4人乗り程度の小型機で事業用操縦士免許の取得を目指して訓練を行う。ジェット機と違い、小回りが利いて周囲の景色がより身近に感じられる小型機というのは、実に「空を飛んでいる」感がある。
訓練飛行は青いツナギを着て行われるが、ライセンス取得前のこの時点からパイロットの制服は支給されている。注目してほしいのは袖の部分だ。副操縦士として辞令を受けるとここに3本の金線が入るのだが、訓練中の晴たちの制服にはまだ金線がない。
また、副操縦士が機長に昇格すると、4本線になる。ミス・パイロット達の教官の国木田機長や、自社養成システムを統括する篠崎機長の袖を見ると、4本の金線が入っているのが分かるだろう。
晴たちが(グランドスタッフ)地上係員として働くシーンが出てくる。航空会社に入社したら、すぐに訓練を受けられるわけではない。パイロットの枠で採用されても、最初の数か月は地上係員として研修を受ける。なお、航空会社の採用枠は、パイロットのほかキャビンアテンダント、グランドスタッフ、整備士、事務職などに採用枠が分かれており、これらの職種の間で異動になることはこういった研修を除いて基本的にはない。
このグランドスタッフとして研修を受ける晴たちを待ち受けるのが、乗客のクレームだ。グランドスタッフはあらゆる職種の中で、乗客と接する最前線の職種であり、最もクレームを受けやすい仕事である。空港内だけでなく、機内のクレームもグランドスタッフに引き継がれる。
パイロットとして辞令を受け乗務が始まると、基本的には乗客と接したりクレームを受けたりすることはなくなる。よって、晴たちがグランドスタッフとして経験することは、きっと将来の貴重な糧となるだろう。パイロットは、空港のグランドスタッフから受け渡された乗客を運ぶ仕事だからである。
晴が一人で操縦席に座って計器類のチェックを行っている。飛行訓練は、最初は教官と共に同乗して行うが、訓練が進むと一人で操縦(ソロフライト)するようになる。
初めてのソロフライトは、まさに自分で飛行機を操縦して空を飛んでいる実感の湧く瞬間だ。もちろん、万が一エンジントラブルや天候の急変があったとしても、全て自分で対処しなくてはならない。それに失敗すれば墜落して死ぬことだってあり得るのである。パイロットとしての責任感の第一歩がここから始まる。
予告編では、千里(相武紗希)が晴の操縦する飛行機に向かって「晴!!」と叫ぶシーンがある。何らかのトラブルが起きるのであろうか。
予告編最後のシーン。
国木田「訓練生だからって甘えんなよ」
訓練生でも、人の命を預る仕事に就こうとしていることに変わりはない。国木田はその厳しさをこれからミス・パイロット達に教えていくのだろう。
ページ先頭に戻る
・ミス・パイロット ― 第2話(放送)の解説
・羽田空港内のANAの格納庫の写真
・パイロット入試問題集 2010-2011
「ミス・パイロット トップページ」へ戻る