オランジュリー美術館は、元々はナポレオン三世の命で、果物を冬季に保存する温室として設立された建造物であった。第一次世界大戦後にモネが「睡蓮」を国へ寄贈。彼の連作の為に国立美術館として整備したのが、美術館となったきっかけである。
時のクレマソー首相により1927年に正式に美術館として完成した。その後1960年代に増築され更に1999年から改修が始まったが、地下から16世紀の城跡が見つかったため、保存作業を行い約6年をかけて2006年に再オープンした。
展示品は、印象派から1930年代までの近代絵画が多く、ルノワール、ドラン、セザンヌ、マチスなどのフランス近代絵画を中心に、ピカソ、モディリアーニ、スーチンなど、パリで活躍した外国出身の画家の作品も多く見られる。
これらの作品は画商であったポール ギョームと実業家のジャン バルテールから寄贈された私蔵コレクションであるが、秀逸な作品が揃っている。中でも人気が高いのはセザンヌの「ピアノに寄る少女達」、セザンヌの「赤い岩」、モディリアーニの「ポール・ギョームの肖像」ユトリロの「ノートルダム」などである。
これらのコレクションは美術館の地下に展示されており、144点もの作品が見られる。それぞれの画家の作風に合わせて壁の色を変えるなどの工夫も凝らされており、快適な空間で素晴らしい芸術作品を楽しむことができる。
また、改装時に外からの自然光を直接取り込んで作品が見られるような造りとなったのは、モネの遺志である。天井から降り注ぐ自然光の下、楕円形の二つの展示室があり、第一展示室には「朝」「雲」「緑の反映」「日没」第二展示室には「明るい朝・柳」「朝・柳」「二本の柳」「樹々の反映」が展示されている。
素晴らしい大作を楽しんだ後は、半地下のギフトショップでグッズがたくさん売っている。雑貨以外にも書籍やスカーフバッグなどもあるので、ぜひ立ち寄ってあれこれ物色してみるのも旅の良い思い出となることであろう。
オランジュリー美術館は、コンコルド広場の近くにあるテュイルリー公園に建っており、オルセー美術館、ルーブル美術館にも近い観光スポットだ。美術品に興味がないという人でも、せっかく観光でパリに行ったからには是非ともご自身の目で見て頂きたい。世界中の人を魅了する何かがきっとあるだろう。
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