国立近代美術館は ポンピドゥー芸術文化センターの5・6.7Fを占めるパリ三大美術館の一つである。1977年にパリ再開発計画の一環として国際コンペに勝ち抜いたイタリア人と英国人によって設計された。
パリでも最大規模を誇る現代アートセンターは、カラフルな外観とガラスで構成された非常に珍しいデザインで建築されており、そのモダンな建物の中には、20世紀以降から現在に至るまでの数々の芸術作品が展示されている。
展示作品は、フォーヴィズム、キュビズム、抽象派、エコールドパリ、シュールレアレスム、ポップアート、ヌーヴォーレアレスムから現在の造形美術品にまで至る。またその所蔵作品数は6万点近くにも及ぶ。
中でも有名な作品としては、マティスの「アラベスク」、ピカソの「アヴィニヨンの娘の習作」、カンデンスキーの「白の上に」マグリットの「赤いモデル」等個性的な作品が数多く見られる。
また、第二次世界大戦後のヨーロッパの美術は、ユーモアの中にもナチスへの恐怖を内包した作品が多く見られる。当時のヨーロッパが直面していたニヒリズムを的確に表現している作品が目立つともいえよう。
また、この時代はアメリカが現代芸術の一大拠点ともなり、アクションペインティングやポップアートなどの手法も生み出されてきている。アメリカの新しい芸術に対抗するかのようにフランスではヌーヴォーレアレスムが生まれた。
新現実主義と呼ばれるこの芸術運動で、アルマンやティンゲリーは日常の廃棄物を寄せ集めたオブジェに芸術的な意味を込めた作品を輩出している。パリの観光ではルーブル、オルセーの次にここを訪れる事をお勧めする。
何故なら時系列的に、芸術の歴史を追うことができるからだ。古代、中世、近代とすすみ、最後にこの美術館を訪れることによって、時の流れを等身大で実感することが可能になると言っても過言ではないだろう。
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