インタラクション部分の対策として、必ず押さえておかなくてはならないのが、次の2点だ。
@使用頻度の高い構文だけに絞って、徹底的に練習しておく
A広い範囲の話題に対応できる「一般論」を暗記しておく
まず、@について。
2次試験に合格するために、複雑な構文を話す必要は全くない。
中学までに習った単語や文法で十分である。
そもそも、ネイティブですら日常的な会話では、その大半で簡単な文法や単語だけで喋っている。
英検1級の1次試験で出題されるような、関係代名詞や分詞が複雑に絡んだ長いフレーズなどを使って日常会話をしている訳ではないのだ。
1次試験を通過した受験生は、文法や単語の知識は2次試験を受けるのに十分過ぎるほど備えていると言えるので、改めて文法や単語を勉強する必要はない。
では、なぜ知識があるのに、自分の思った事を英語で喋れないのか?
それは、文法や単語を「知っている事」と「使える事」は全く別物だからだ。
日本人がタイピングに慣れすぎて漢字を鉛筆で書く機会が減った結果、「読めるけど書けない漢字が増えてきた」という状態とこれは近い。
文法や単語を「使える」ようにするには、実際に何度も使って(スピーキングして)練習しなければならない。
このとき、漠然と練習していると、一つひとつの構文の練習回数が減るため、効率が悪い。
2次試験で使用頻度が高いものに絞って、それらを優先的に使って「練習回数を増やす」のである。
具体的には、使用頻度の高い構文は以下の通りだ。
If 〜, 〜.
〜, because 〜.
It is 形容詞 for 人 to〜.
There is 〜.
I think that 〜.
I heard that 〜.
S should V O.
S can V O.
いずれも1次試験合格者から見れば簡単すぎるほど簡単な表現だが、これが全く考えずに口から出るレベルにまでなっていれば、2次試験での質疑応答では十分に自分の意見を伝えることができる。
練習方法は、想定問答を数多くこなし、その中でひたすらこれらの表現を使って自分の意見を即座に述べることだ。
日本語で思い浮かんだ文章をそのまま英語にしようとすると、スピーキング力が弱いと詰まってしまう。
頭に浮かんだアイデアを、この簡単な構文で表現できるように、まずこれらの構文ありきで「シンプル化する」ことも練習過程では必要だ。
難しい日本語表現を、よりそのままのニュアンスで英語にして話すことは、英検1級2次試験で求められるよりももっと先のレベルの話である。
なお、表現自体は簡単なので、ライティングとして文章にしても余り意味がない。
同じ問いに対する答えを何度やっても構わないので、とにかく口を動かすこと。
子供が自転車に乗る練習をするときに、いつしか自転車の乗り方を意識しなくても自転車に乗れるようになるように、ある程度練習すると、「知っている文法」が「使える文法」になる。
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