セビリアのグアダキビル川の左岸のほとりに静かにたたずむ塔が、黄金の塔とよばれるものである。黄金の塔の由来は、かつて外壁の全てにタイルが貼られており、そのタイルが、光の反射によって黄金色に見えたことからそのようによばれ、かつては軍用として使用されていた。
このあたりは13世紀にはアラブ人によって統治されていた場所で、一見すると丸く見えるその塔の形は、正十二角形をしており、スペインのバダホスにあるエスパンタペロス塔を模範にしている。
またスペインの中世時代は、牢獄として利用されていたり、セキュリティ面がしっかりとしていたことから、16世紀のはじめにはスペイン艦隊によって持ちこまれた金や銀などを保管する場所でもあった。13世紀はじめには川の通行を検問する検問所として、また侵入船の入港を見張っていた場所でもあった。
現在は海の博物館(MUSEO NAVAL)として一般に公開されている。この海の博物館では、船の模型や海図、船の操縦機器等など海に関する珍しい資料や模型が展示してあり、大航海時代の面影が伝わってくる観光名所である。
この海洋博物館は中世のスペインの時代において、いかに川を重要な拠点としていたかが伺える。つまり川のあるところには産業や文明が発展を遂げ、セリビアもその一つとして栄えていたころを今に伝える博物館なのである。
2005年にはスペインの治安の悪化や、暴動、破壊活動などが起こった際には、この博物館もその影響を受けたが、現在は修復をされてきれいな外観を保っている。
博物館は入館料が大人2ユーロであり、月曜日は休館日となっている。火〜金曜日は10時〜14時、土日は11時〜14時と昼のみの営業となっているので注意したい。
かつての中世のスペインの激動の時代の面影はなく、今はセビリアの穏やかな美しい町並みが川を挟んで並んでおり、景観を楽しむ観光地としても現在は親しまれている。
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