もともとは16世紀に新大陸から流入する、莫大な金銀をチェックするセビリアの旧商品取引所として建造されたスペインのルネッサンス様式の建物である。1584年にエレーラの計画に従って、エルエスコリアル修道院を設計したファン・デ・エレラによって造られた建物である。
工事は17世紀にも続き、1629年までは大司教フアン・デ・スマラガが指揮を執り、ペドロ・サンチェス・ファルコネーテの代で完成した。
1785年にカルロス3世の時代にインディアス枢機会議がここに置かれることになり、その目的は、スペイン各地に分散していた植民地に関して蓄積されてきた文書を一つに統括することにあり、新大陸の移民、統治に関する全ての公式文書が、ここに集められたのである。
そして文書館として建物の手直しをする必要が生じ、その一環で1787年には大理石製の大階段がつけられたのである。
ここインディアス古文書館は、18世紀に古文書館となり、アメリカ大陸、コンキスタドーレスによる中南米の植民地支配、フィリピンにおけるスペイン帝国の歴史を明らかにする上で、欠くことできない膨大な史料群が収められおり、その価値も高く評価されている。
現在では8600万の古文書が保管されている世界最大の文書保管庫であり、スペインの歴史を紐解く上で重要な古文書館である。
インディアス古文書館の建物は中央の大きな中庭を囲むように建っており、建物の角には地元様式のオベリスクが施されている。全体的に彫刻的な装飾はあまりなく、石や化粧漆喰とが慎重に対比させられる形で調えられている。
落ち着いた雰囲気を持つイタリア化したスペイン建築の今に伝える高い技術力が評価され、1987年に「セビリアの大聖堂、アルカサルとインディアス古文書館」の名称で世界遺産に登録されており、セビリア屈指の観光名所となっている。
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