このスピーチの雛形を暗記する方法の利点は、暗記すべき量がせいぜい1分半程度のスピーチだけであり、それがどんなトピックでもほぼ確実に使える、というところだ。
また、暗記した部分は事前に文法のチェックや発音の練習ができるので、面接の場で考えた部分に多少間違いがあっても、面接委員から見て全体的にミスの少ない印象となる。
面接の場で考えなくてはならない内容に関しても、全く無の状態からアイデアを捻り出すよりも、抽象論部分を先に決めておいた方が返って考え易い。
「日本の教育の問題点は何か」という漠然とした問いよりも、「日本の教育の問題点は過去と現代でどう変わってきたか」という論点を絞った問いの方が答えやすいのと同じだ。
すなわち、抽象論の部分が既に決まっていることによって、「このトピックについて、現在と過去でどのような変化があっただろうか」「このトピックについて、社会全体の恩恵をより大きくするためにはどうしたら良いだろうか」と、思考の道筋が付くのである。
自由な発想の方が聞き手の興味を引くような面白い意見が出せる可能性が広がるは事実だが、もう一度思い出して欲しいのは、この試験は話の内容自体ではなく英語運用能力を測る試験だということだ。
完全に合格ラインを越えてる受験者なら更なる高得点を狙ってフリースタイルで臨んでも良いだろうが、合否ライン上の実力の受験者がフリースタイルで臨んで不合格になったらただの無策・無謀である。
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